うちの子身長低いかな

　　　　　　　　　　　　　　

こども救急箱（１２）

背が伸びることはこどもの特徴の一つであり、成長のスピードをみることで病気が見つかったり

病気の始まりがわかったりすることがあります。低身長というときは平均からどれくらい離れているか

を計算して判断しますが、小さいように見えても標準の範囲の中にあれば正常の身長ということになり

ます。しかし、身長の伸びが悪くなったり急に伸びることは異常な成長ということになりますので、1年

にどれくらい伸びているかという情報が大切になります。

　生まれた時の身長は約50cmで、1歳までに約25cm伸びます。一生の中で一番身長が伸びるのはこの時期

です。そのあとは平均して1年に5cm前後伸び思春期になるとまた急激に伸びます。思春期は男の子で1年

に10cm前後、女の子で8cm前後伸びます。その後二次性徴が完成して骨の成長も止まり最終身長（大人の

身長）になります。思春期の始まりは一般的には女の子が早いので、小学校高学年になると女の子のほうが

先に大きくなり、中学に入って男の子が追い越していきます。高校生になってからも身長が伸びる人もいます

が、思春期の始まりと関係します。

　身長の伸びには身長を伸ばすホルモンや思春期を起こす性ホルモンが大きく関係しますが、心臓や腎臓の病気、

先天的な病気など色々な原因が隠れていることもあります。また心理的な影響も受けるので、ストレスが多かった

り環境が変化したり、また周囲からの愛情が不足しても成長に影響することがあります。身長を伸ばすホルモン

は夜寝ている間にたくさんでますので、夜更かしや熟睡できない環境もよくありません。「寝る子は育つ」は、

学門的裏付けがされております。栄養のバランスも大切です。身長が気になったらまずは1年にどれくらい

伸びているかをチェックしてみてください。

NPO法人こども医療ネットワーク会員

溝田美智代（鹿児島大学病院小児科）

平成18年10月9日　南日本新聞掲載