予防接種
こども救急箱(14)
子どもがかかりやすいけれど、確実な治療法がない病気に対し、抵抗力(免疫)を
つくる目的で予防接種があります。
現在、市町村が行う定期の予防接種としては、BCG(結核)、ポリオ、三種混合
(ジフテリア、百日咳、破傷風)、麻しん・風しんがあります。今まで別々に受けていた
麻しん、風しんのワクチンが、今年度から麻しん風しんワクチン(MRワクチン)となり、
そのワクチンをT期、U期の2回接種するようになりました。1回だけでは長い期間免疫を
維持できないことがわかり、2回接種する方法になりました。接種時期は、生後12ヶ月〜
24ヶ月の間に1回目、小学校入学年度の前年4月〜入学年の3月までに2回目をすること
になりました。ただし、制度が変わったことにより麻しん、風しんそれぞれのワクチンを
受ける機会を失うことがないように、今年度は暫定期間と位置づけられています。詳細は
お住まいの市町村の担当課にご相談ください。
任意(自己負担)のワクチンとしては、水ぼうそう、おたふくかぜ、インフルエンザなど
があります。インフルエンザは、例年12月〜3月に流行が見られます。予防接種は、10月
から始めている医院が多いと思います。ワクチンを希望される場合は、今年中に受けること
が望ましいです。インフルエンザは、赤ちゃんに予防接種しても有効率が低いので、周囲の
大人が受けておくことが重要です。
毎年何人かの子どもが麻しんやインフルエンザで死亡しています。また、脳炎で後遺症が
残っている子どももいます。どのワクチンも100%安全なわけではありませんが、その有効性、
安全性、必要性を理解してぜひ受けてください。市町村から通知がきたので受けますではなく、
疑問に思うことは遠慮せずにかかりつけ医に相談しましょう。
NPO法人こども医療ネットワーク会員
原口 務 (あいら小児科院長)
平成18年11月6日 南日本新聞掲載