子どもの歯みがき
子ども救急箱(150)
「子どもの歯磨きはいつ頃から始めたらいいでしょうか」という質問をよく受けます。
6カ月頃になると乳歯が生え始めるので、指に巻いたガーゼや綿棒で歯の表面をふき取る
ようにし、1歳の誕生日が近くなったら、歯ブラシを使った歯磨きを始めましょう。最初は、歯ブ
ラシを口に入れることに慣れさせ、毎日の歯磨き習慣を作ることが大切です。
小学校低学年くらいまでは、お子さんが磨いた後にお母さんやお父さんが仕上げ磨きをす
る必要があります。毎食後の歯磨きが難しい場合は、夜寝る前に必ずきれいに磨いてあげて
ください。仕上げ磨き用を用意すると磨きやすくなります。歯と歯の間は糸ようじを使うとよい
でしょう。
お子さんが嫌がって磨かせてくれないことがあります。よくあるのは、熱心になりすぎて、力
が入りすぎる場合です。歯ブラシの毛先が曲がるような強い力で磨いていないか確かめてみ
てください。
歌を歌いながら磨いたり、お子さんが好きな色やキャラクターがついた歯ブラシにするなど、
歯磨きが楽しくなる雰囲気を作るよう心がけましょう。
歯ブラシをくわえたまま転倒すると、時には命にかかわる重大事故につながります。就学前
のお子さんが歯磨きをする場合は目を離さないよう注意し、歯磨き時以外は歯ブラシを持た
せないようにしてください。
歯磨きは大人でもなかなか隅々まで完璧にとはいかないものです。定期的に歯医者さんを
受診して点検をしてもらうと安心です。親子で磨き方の確認と指導をしてもらうとよいでしょう。
認定NPO法人こども医療ネットワーク会員
窪田直子(鹿児島大学病院小児歯科)