おむつかぶれ
こども救急箱(162)
赤ちゃんの肌は角質層が薄く敏感ですが、おしりも例外ではありません。おむつの中はむ
れやすく、尿や便による刺激や、おしりふきでゴシゴシふくことで肌は炎症を起こします。
かゆみや痛みを伴い、おしり全体が赤くなります。ひどくなると血がにじんだり、皮がむけた
りすることがあります。このような状態をおむつかぶれ、医学的にはおむつ皮膚炎といいま
す。
おむつかぶれがある赤ちゃんは、おしっこやうんちをする度に、痛みのために機嫌が悪くな
ります。おしりをふくことやお湯で洗うことも苦痛になります。
おむつかぶれを防ぐには、おしりを清潔に保つことが第一です。こまめな交換を心掛けまし
ょう。おしりはゴシゴシふくのではなく、押さえるようにしてふくのがおすすめです。
おしりがきれいにならないときは、シャワーや洗面器に張ったお湯でジャバジャバ洗い流し
てあげるとよいでしょう。その後、乾いたタオルで押さえながら、おしりをしっかり乾かしましょう。
乾かないままだとむれる原因になります。乾かした後は、薄く敏感な肌が炎症を起こしやすく
なるので保湿剤を塗るとよいでしょう。
おむつかぶれになってしまった場合、基本的には前述した予防法と同様のことを続けてくだ
さい。改善しなかったり悪化した場合は、小児科クリニックを受診していただければと思いま
す。皮膚感染症やアレルギーなど別の病気の可能性もあります。おむつかぶれであれば、軟
こうで治療することもあります。
おむつかぶれはどんな赤ちゃんにでも起こりえる病気です。スキンケアを心掛けていただき、
お子さんに快適なおむつライフを。
認定NPO法人こども医療ネットワーク会員
中江 広治(鹿児島市立病院小児科)