口の定期健診
こども救急箱(168)
お子さんに口の定期健診は受けさせてますか。
鹿児島県内では、3歳までは市町村から歯の定期健診のお知らせがあり、歯科医院や保健
センターで受診できます。しかし、3歳以降は就学前まで公的なお知らせはありません。
保育園や幼稚園、学校でも年1回の歯科健診はありますが、むし歯があったり、歯並びが
気にならない限り、歯医者さんを受診しない方が多いのが現状です。
保育園や幼稚園などでの健診は、むし歯だけでなく、歯ぐきの状態や歯並び、顎の関節に
ついても観察します。しかし、子どもの歯、特に生えてきたばかりの歯は弱くてむし歯になりや
すいうえ、生え替わりの時期は歯並びの変化が大きく、1年に1度の健診だけではさまざまな
異常を見落としてしまいがちです。
乳歯のむし歯は進行すると永久歯にも影響を与え、丈夫な永久歯が生えてきません。生え
たばかりの永久歯はむし歯になると短期間でどんどん進行します。そうならないためにも、就
学前から中学生ぐらいまでの口の中が大きく変化する時期は、何の症状がなくても3〜6カ月
に一度は健診する必要があります。
「うちの子はむし歯がないから歯医者に行かなくても大丈夫」という保護者の方もおられます
が、永久歯の数に異常があるお子さんもたくさんいます。むし歯のないうちに健診を受け、エ
ックス線写真で歯の数や形、顎の骨を確認しておくことが重要です。
永久歯の数が少ないお子さんは、今残っている乳歯がむし歯にならないように、歯の数が
多いお子さんは歯並びに影響しないように、定期的な健診を受けられることをお勧めします。
大人の歯がしっかり生えそろうまで、お子さんと一緒にお口の健康管理をしましょう。
認定NPO法人こども医療ネットワーク会員
橋口真紀子(鹿児島大学病院小児歯科)