皮膚のカサカサ:入浴と保湿で乾燥対策を
こども救急箱(17)
寒くなって木枯らしが吹くようになると、空気が乾燥して子どもたちの皮膚も白く粉をふいたようになったり、
鳥肌状になったりしてきます。乾燥肌もひどくなると、かゆくなったり、赤くなったりしてきます。乾燥肌では、
細菌が体に入るのを防いだり水分が失われるのを防いだりするバリア機能が低下します。皮膚をよい状態に保つ
ためスキンケアが必要です。
スキンケアの中心は入浴と保湿です。入浴で皮膚を清潔に保ち、皮膚に水分を与えます。冬は顔、首、陰部など
汚れやすい部分を中心にせっけんをよく泡立てて手のひらで優しく洗い、決して強くこすらないようにしてください。
洗いすぎもよくありません。せっけんやシャンプーのすすぎ残しにも注意しましょう。熱すぎるお湯はかゆみがひどく
なりますし、長湯もしない方がいいようです。
入浴後は皮膚を強くこすると角質層をこすりとってしまうため、タオルで押さえるようにしてふきます。乾燥予防
のためには、保湿剤を塗ることが大切です。入浴直後は一番皮膚が水分を吸収しています。保湿剤で皮膚の表面に
膜をつくり、水分が逃げないようにします。時間がたてば皮膚の水分が逃げるので、できれば十分以内に保湿剤を
塗るようにしましょう。保湿剤にはワセリン、尿素、セラミド入りなどいろいろあります。使いやすいものを選んで
かまいません。肌に合わず、かぶれることもありますので、はじめは狭い範囲で試してみましょう。
日常生活の注意として、衣類も皮膚へ刺激の少ない木綿のものがよく、新しい肌着は使用する前に一度洗濯すると
いいでしょう。エアコンなどの暖房器具を使用すると空気が乾燥してしまいます。室内の湿度が下がり過ぎないよう
に加湿器を使うこともいいでしょう。
NPO法人こども医療ネットワーク
江口 智(川内こどもクリニック)
平成19年1月8日 南日本新聞掲載