小児救急電話相談事業

 

こども救急箱(173

 小さな子どもが急に発熱したり、吐いたり、おなかを痛がったりすることはよくあります。昼間

なら、近くの病院やかかりつけ小児科で相談できますが、大人の都合に合わせて問題が発生

するわけではありません。

 「#8000番」事業は、厚生労働省の政策で、短縮番号#8000にかけると、アドバイスを

受けられる小児救急電話相談事業です。鹿児島県では2007年8月から始まり、毎日午後7

〜11時、プッシュホン回線であれば県内のどこからでもつながります。

 小児科で勤務経験のある相談員(看護師)がさまざまな相談に乗ってくれますが、専門的な

照会が必要な場合は、鹿児島市立病院の小児科医と相談して、回答する仕組みです。年間

の相談件数は5千件を超え、年々増えています。

 子どもの病気の多くは発熱やおう吐・下痢で、以前は同居する家族のアドバイスで解決した

ものです。しかし、最近の核家族化により、相談相手がいないお母さんが増えており、抱える

心配は大きくなっています。

 重症の場合は、時間外でも夜間急病センターや、遠くの病院を受診する必要がありますが、

休日・夜間対応できる一部の医療機関を多くの人が受診すると、少人数で運営している救急

対応機能をまひさせてしまいます。

 ご両親が、夜間でも病院をすぐ受診した方がいいのか、翌朝まで待ってもいいのか、判断す

ることは簡単ではありません。そんなときに「#8000番」を利用してみてください。子どもたち

の健全な成長を見守る仕組みですので、きっと安心できると思います。

 日本小児科学会やNPO法人こども医療ネットワークのホームページに、子どもの救急に役

に立つ情報があります。よろしければご覧ください。

 

認定NPO法人こども医療ネットワーク会員

鮫島 幸二(鹿児島市立病院小児科部長)