アナフィラキシーA
こども救急箱(177)
前回アナフィラキシーの症状について紹介しました。今回は対応についてお伝えします。ア
ナフィラキシーの状態の子どもに遭遇した際、大人が自分1人だけだった場合は、まずはどな
たか助けを呼びましょう。2人以上になれば、エピペン(アレルギー症状を緩和する治療剤)を
打つ際に、子どもが暴れないように、押さえる役と注射する役に分かれることができます。
エピペンはアレルギー症状の患者に対して処方される注射薬です。刺した瞬間は、痛みの
ために嫌がるのが普通です。しっかりと子どもを押さえて、薬が体内にとどまるようにしなけれ
ばなりません。
エピペンは通常、太ももの外側に注射します。2人で役目を分担する場合は、写真@のよう
に注射し、やむなく大人が自分1人しかいない場合は、写真Aのようにしましょう。
アナフィラキシーのときには、速やかな判断と治療が望まれます。エピペンを注射してもよい
か判断に迷うときでも、迷わず打つくらいの認識を持っていた方がいいと思います。
一時的に状態が回復しても、薬の効果が切れて再度アレルギー症状が出る可能性がある
ため、注射した後は必ず医療機関を受診してください。
周囲にアレルギーのお子さんがいるご家庭や幼稚園・学校では、アナフィラキシーを起こさ
ないための工夫はもちろん、起こしてしまったときの対応についてプランを立てておくのも重要
です。
認定NPO法人こども医療ネットワーク会員
立元千帆(あおぞら小児科)