水痘ワクチンの定期接種化
こども救急箱(180)
あんしん救急箱では、いつもワクチンの重要性をお伝えしていますが、今回は水痘(水ぼう
そう)ワクチンについての情報です。2014年10月から1〜3歳未満の幼児を対象に水痘ワ
クチンが定期接種化されます。
定期接種化は費用を自治体や国が負担するという意味です。これによって、現在日本では
年間に100万人近くの水痘患者が発生していますが、麻疹(はしか)同様に患者数が激減し、
まれな病気になることが期待されます。
普通に生活していると、子どもの水痘が重症になって大変だったということはほとんど聞か
ないと思います。しかし、自然に治って後遺症もないのであれば、ワクチンは製造されません。
病気やその治療によって抵抗力がなくなった子どもにとって、水痘は命に関わる危険な病気
です。
しかも、空気感染するため、直接接触しなくても病気はうつります。そのために、難しい病気
の治療を担当する大学病院では、水痘患者を発生させないように厳重な管理が求められて
います。
普段、健康な子どもが発症した場合には何もないのでしょうか。
水痘は法律によって、登園・登校停止期間が「発疹がすべて痂皮(かひ)化する(かさぶたに
なる)まで」と定められています。元気なってからも登園基準を満たすまで1週間以上かかるこ
ともあります。その間、保育園や託児所に預けられないのですから、子育て世代の家庭には
大きな問題です。
基本は1回目と2回目を3カ月以上あけて、2回接種します。なお、10月にすでに3歳になっ
ている場合でも、5歳未満であれば、2014年度限りの経過措置として1回公費負担で接種
できる予定です。10月以降に保健所やクリニックで確認してください。
認定NPO法人こども医療ネットワーク理事長
河野嘉文(鹿児島大学病院小児診療センター)