子どもの睡眠時無呼吸症候群 

- 歯科からの支援 -

 

                                                            こども救急箱(195

就寝中のひどい“いびき”や一時的に呼吸が止まる“無呼吸”は、睡眠時無呼吸症候群の

症状で、成人男性に多く見られます。しかし、乳幼児期から思春期にかけても約2%生じてい

ることはあまり知られていません。そしてお子さんの場合は、昼間の眠気を訴えることが少な

いために発見が遅れ、見過ごされることが多くなります。睡眠中に呼吸がしづらくなることで、

寝相が悪くなったり何度も目を覚ましてよく眠れないため、朝なかなか起きられません。また、

落着きがなくイライラしたり、集中力が低下して注意散漫となり、学業にも差し支えます。さら

に、深い眠りで得られる成長ホルモンの分泌が少なくなり、体の成長に影響する場合もありま

す。このようにお子さんの睡眠時無呼吸症候群は、健全な発育を障害することがあるため、

早期に発見し、適切な治療を受ける必要があります。

睡眠時無呼吸症候群のお子さんは、鼻の呼吸がしづらいので、いつも口を開けて口呼吸を

する弊害で歯並びが変形し、歯科を受診する機会が多くなるといわれています。その際に、

専門的な知識と経験を持った歯科医が診察すれば、問診や顔や口の状況から睡眠時無呼

吸症候群の可能性を見つけ出し、医科の適切な診療機関に紹介することで早期発見につな

がります。さらに実際の診断と治療は、医科の診療科が中心となって進めるきまりですが、一

部のお子さんには歯科と連携した治療方法を用いることもあります。

 子どもの睡眠時無呼吸症候群への対応は、小児科や耳鼻科だけでなく、歯科の果たす役

割も大きくなっています。お子さんのひどい“いびき”や“無呼吸”、そして胸がへこんで呼吸を

する“陥没呼吸”など心配な状況がありましたら、小児の専門医による診察が受けられる医療

機関への受診をおすすめします。

 

 

認定NPO法人こども医療ネットワーク会員

岩崎智憲 (鹿児島大学病院小児歯科)