児童発達支援センター

―子どもの特性理解する場―

 

こども救急箱(214

 子どもの発達は個人差が大きく、単純に年齢で決めることはできません。得意なこと、苦手

なことは人によって違いますし、それぞれ発達には、凹凸があります。

 発達が気になるときは、市町村の保健師に相談すると、その子に合った対応を一緒に考え

てくれます。子どもや保護者への支援、医療と連携した支援など、さまざまな体制が整いつつ

あります。その一つに、児童発達支援センターがあります。

 同センターは、市町村にある療育の場で、親子の支援の核となる場です。療育とは、訓練や

トレーニングをすることではありません。まず、遊びや小集団の中での生活を通じて、子ども

の特性をよく理解します。子どもが混乱やパニックに陥らないために、保護者と周囲の人たち

が本人にどう接していくべきかを学ぶ場でもあります。

 もちろん、発達に関する、保護者の悩み相談も受け付けています。無理のない生活を送るこ

とができるよう、発達を見守る姿勢が大切です。発達に関する診断や治療が必要な場合、鹿

児島県こども総合療育センターに紹介することもあります。

 受診は完全予約制で、日常の生活の状況を保健師が取りまとめた紹介状が必要です。家

庭や保育園・幼稚園・学校などでの普段の様子や、健診での状況、医療上の情報など、子ど

もの情報を保健師や医師から提供してもらいます。診断や今後の療育、学校生活などについ

て、総合的な助言をしてくれます。

 

 

こども医療ネットワーク会員

福重 寿郎(鹿児島県立北薩病院小児科)