しもやけ
―寒い日の外出は対策を―
こども救急箱(215)
子育て中のお母さんは寒い時期に、子どもに衣服を多めに着せてあげていると思います。
以前より住環境がよくなり、寒い季節でも家の中は快適になっていますが、子どもは皮下脂
肪が少なく、大人よりも外気温の影響を受けやすいため、今でも‘しもやけ‘に対する注意が
必要になります。
しもやけは、寒冷刺激により手足などの末梢(まっしょう)の血流が減ることによって発症し
ます。局所的な低酸素状態による炎症で、医学的には凍瘡(とうそう)の一種です。しもやけ
になった部分は赤く腫れ、いたがゆい状態になります。いくら厚着をさせても手足の指や耳な
ど、外気にさらされる部位にできやすいので気を付けてあげてください。
大人がそれほど寒くないと感じる環境でも、影響を受けやすい子どもはしもやけになります。
血流をよくするためにビタミンEを配合した軟こうを塗ったり、血管を拡張させるお薬を飲んで
もらうこともあります。つらい症状を伴いますから、重要なのは予防だと思います。
寒い日の外出は、耳あてを着用すること、厚めの靴下をはかせること、さらに手袋の装着す
ることなどが予防策になります。ただし、きつめの靴は足の血流を妨げ、しもやけになりやす
いので気を付けてください。
雨や雪の日などに、ぬれたままの靴下や手袋を身に付けていると、手足が長時間冷やされ
るので、水分をよく拭いて、こまめに交換してあげるといいですね。外から家に帰ってきたら、
ぬるま湯で手足全体をゆっくりとやさしくマッサージしてあげるのも効果的です。
まれですが、免疫や血管の病気が原因で重症のしもやけができやすい体質の方もいます。
そのような場合には、かかりつけの皮膚科や小児科の先生に相談してください。
こども医療ネットワーク会員
摺木 伸隆(田上病院小児科)