歯ブラシの選び方
―成長に応じて交換を―
こども救急箱(218)
子どもの歯ブラシを、どのような基準で選んでいますか。しっかり歯磨きをしているつもりで
も、歯ブラシが合っていなければ、磨き残しができてしまいます。口の中を健康な状態に保つ
ために、次の点に注意して正しく選ぶことが大切です。
一つ目は、毛束の部分の大きさです。口の中での動かしやすさを考え、小型がよいとされて
います。幼児は、保護者が歯磨きをすることが多いので、保護者が使いやすい歯ブラシを選ぶ
のが基本です。一般に毛束の部分は奥歯の1・5本分前後(15〜17ミリメートル)で、毛は短
めのものが適切です。
小学生は自分で歯磨きをできるようになるので、本人が使いやすい歯ブラシを選びます。
低学年で仕上げ磨きが必要な場合、保護者も使いやすいものがよいでしょう。歯ブラシは口の
成長に応じて大きくしますが、高学年でも奥歯の2本分以内(18〜20ミリメートル)で、毛の長さは
8〜10ミリメートル程度のものが使いやすいです。
二つ目は、毛の硬さです。中くらいのものを選びましょう。しばらく使うと毛が開いてきますが、
後ろから見て毛先がはみ出してきたら交換の時期です。三つ目は、持ち手の形です。まっすぐで
握りやすいものがお薦めです。持ち手の断面が円形に近いものは、回転しやすく不安定なため、
板状で握った時に安定するものがよいでしょう。
幼い頃は歯磨き習慣ができるまで、楽しい歯磨きを目的に、お気に入りの色やキャラクターを選ぶ
のもいいです。歯ブラシをかんですぐに毛束が開いてしまうことも多いため、仕上げ磨き用に、保護者
が使いやすいものも別に準備しましょう。
歯磨きは、親子をつなぐ大切なコミュニケーションの場ともなります。効果的に歯磨きをして、心身を
育む充実した時間にしたいものです。
こども医療ネットワーク会員
村上 大輔(鹿児島大学病院小児歯科)