PFAPA(周期性発熱症候群の一つ)
―数年から10年で自然治癒―
こども救急箱(244)
「保育園や幼稚園に通い始めたら、熱が頻繁に出るようになった」という話は小児科外来で
よく耳にします。さまざまなウイルス感染などがお互いに伝染するためです。
6カ月間に3回以上発熱があり、発熱の間隔が1週間以上のものを反復性発熱と言います。
原因としては、ウイルス感染症(多くは4日以内に解熱)の他に、細菌感染、自己免疫疾患、
免疫不全などがあります。
その中に、数日〜数週間続く発熱を1週間〜数週間か数か月ごとに繰り返す周期性発熱症
候群という特殊な症状が出る病気があります。@反復する発熱(発熱時に炎症反応上昇)、
A発熱の期間、周期、伴って起きる症状(発疹、関節痛、筋肉痛、胸痛、腹痛、リンパ節腫脹
(しゅちょう)、口内炎、頭痛、嘔吐(おうと)など)が毎回似ている、B熱が出ない時期には症
状は何もない、C細菌培養検査で有意な菌が検出されない、D抗菌薬の投与に関係なく自
然に解熱する―。このような特徴がある場合に周期性発熱症候群を疑います。
その中で比較的多いと言われているのがPFAPAです。強引に日本語にすると、周期性発
熱・アフタ性口内炎・咽頭炎・頸部(けいぶ)リンパ節炎症候群と言います。@〜Dの特徴に加
え、多くは5歳未満から発作が始まりますが、成長発達の遅れはありません。伴って起きる症
状としては口内炎か咽頭炎かリンパ節炎を1つ以上認め、3〜7日間くらいの発熱を3週間〜
1カ月の周期で繰り返します。
多くの子どもが年齢とともに周期が延び、伴って起きる症状も軽症化し、特に後遺症もなく
数年〜10年で自然治癒します。発熱する度に早退したり学校を休んだりするのが問題になり
ます。特別な薬での対応もありますので、「PFAPAかな」と思ったら近くの小児科医にご相談
ください。
こども医療ネットワーク会員
山ア雄一(鹿児島大学病院小児診療センター小児科)