スキンケア
−泡で洗った後保湿を−
こども救急箱(249)
「赤ちゃんの肌は潤っているから何もしなくて大丈夫」と思われがちですが、実はとてもデリ
ケートです。
皮膚は表皮と真皮で構成されています。表皮の一番外側にある角層にはバリアー機能が
あり、細菌や食物アレルゲンなどの侵入を防いだり、水分を保持したりしています。この角層
が乾燥して隙間ができると、バリアー機能は失われ、外からの刺激を受けやすくなります。
赤ちゃんの表皮は大人の半分ほどで、ラップ1枚よりも薄く、水分量は5%ほどしかありませ
ん。大人と同じ数の汗腺があるため汗はたくさんかきますが、肌自体は乾燥しています。生後
3カ月ごろからは皮脂量も減り、思春期前までは少ない状況が続きます。
表皮が薄い上に水分も皮脂も少ないため赤ちゃんのバリアー機能は失われやすく、そのま
までは外からの刺激をたくさん受けてしまいます。産院を退院するころからスキンケアを始め
ましょう。
お風呂では、優しくしっかり汚れを落としてあげるために、きめ細かい泡で洗います。ごしご
しこすらず、しわを伸ばしてもむように洗います。顔もしっかり泡で洗いましょう。
顔を洗い流すときに泣いてしまうかもしれませんが、乾いたタオルですぐに拭き取ってあげ
れば大丈夫です。こすらずおさえる感じで、優しく拭き取りましょう。お風呂上がりは、全身に
たっぷり保湿剤を塗ります。
今村総合病院(鹿児島市)小児科ではスキンケア指導入院を始めました。正しい入浴とスキ
ンケアの方法を習得してもらうプログラムです。
スキンケアをすることで、赤ちゃんにも家族にも良いことがたくさんあります。スキンシップを
楽しみながら、毎日のケアを続けましょう。
こども医療ネットワーク会員
四元景子(今村総合病院小児科)