顎関節症

−学校健診でも状態評価−

こども救急箱(40)

 口を大きく開けたときに耳の辺りで「カクッ」と音がしたり、食べるときに

口を開けようとしても、あごが痛かったり引っかかる感じがして開きにくく

なったことはありませんか。これらの症状は顎(がく)関節症という病気の

ために起こります。顎関節症は子どもからお年寄りまで幅広く発症し、日本人

の約三割の人がかかっていますが、むし歯のように徐々に進行する病気では

ないのでご安心ください。

 顎関節症は、歯並びやかみ合わせ、むし歯、あごの外傷、ほおづえや唇か

みなどの癖、ストレスなどが積み木のように重なると発症します。子どもの

場合、症状の約八割はあごの関節が「カクッ」と音がするいわゆる「顎関節

雑音」で、成人に比べると軽い症状ですが、口を動かすときに痛かったり、

開きづらい場合は治療の対象になります。治療法は主にマウスピースの

ようなプラスチックのカバーを就寝中に口の中に着けて、顎の関節を安静にします。

 一九九五年から学校歯科健診で顎関節の状態を評価するようになりました。

そのため、症状を自覚している子どもさんに対して、学校が歯科医院の受診

を指導する場合も多いと思います。子どもの顎関節症は重篤な病気ではあり

ませんが、乳歯が永久歯に生え代わってかみ合わせが大きく変化したり、

思春期を迎えて精神的に不安定になるなど、心身の成長発育が著しい時期

に起こるため、大人とは違った特徴があります。心配な場合は、こどもを専門

に診る歯科にご相談ください。

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員

重田浩樹(鹿児島大学病院 小児歯科)

 

 
2月4日南日本新聞掲載