幼児期の虫歯予防
−規則正しい生活を−
こども救急箱(43)
幼児期の虫歯予防には、規則正しい生活リズムが大切です。食事の時間が不規則だったり就寝時間が
遅かったりして、食べ物が口に入っている状態が長時間続く「だらだら食い」になると、歯を溶かす酸が口
の中で作られ続け、虫歯の原因になります。食事の時間をしっかり決め、生活リズムを整えましょう。
おやつは、食事ではとりきれない栄養を補う「四度目の食事」と考え、乳製品やいも類、果物など、なるべ
くお菓子ではないものにしましょう。食べる量だけ器に出し、だらだら食べないように時間と場所を決め、飲
み物はなるべくお茶か水にしてください。
糖分を多く含むもの、口の中に長時間留まるもの、歯に付きやすいものは、虫歯の危険性が高く注意が必
要です。甘味料のキシリトールは、口の中で酸を作る材料にはなりませんが、虫歯にならないというわけでは
ありません。「食べたらみがく、うがいをする」を習慣にしましょう。
「よくかむ」ことも大切です。だ液の分泌が盛んになり、歯や歯茎に付いた食べかすを洗い流してくれるため、
虫歯予防につながります。また、歯茎のマッサージ作用で血行が良くなり、抵抗力が高まって歯肉炎を防ぎま
す。さらに満腹感を得やすくなるため、早食いや食べすぎを抑えたり、あごの骨や口の筋肉が発達して歯並び
やかみ合わせがよくなることが期待できます。よくかむ習慣は自然と身につくものではないので、一歳以降か
ら繰り返し練習していきましょう。
規則正しい生活やよくかむ習慣は、虫歯予防はもちろん、心や体の健康な成長にも重要なことです。
NPO法人こども医療ネットワーク理事
山崎要一(鹿児島大学病院小児歯科)
平成20年3月24日 南日本新聞掲載