じんましん          

 

こども救急箱(46)

蚊に刺された時のように、皮膚がみみずばれのようにもり上がってとてもかゆがります。

形も大きさもいろいろで急にできて短時間で治ることが多いので、病院を受診するときには

消えていることもよくあります。

 原因は、食物(卵・牛乳、小麦、そば、エビ・カニ、サバ・アジなど)、環境因子(ダニ、ホコリ、

カビなど)、薬剤(抗生剤・解熱鎮痛剤など)、物理的刺激(温熱、寒冷、まさつ、日光など)、

心因性(ストレス、疲れなど)などが挙げられます。

 治療は、原因が特定できた場合は、まずその原因を取り除くこと、もしくは原因となっている

病気を治すことが重要です。一般的な治療としては、じんましんの原因となるヒスタミンをおさ

える働きのある抗ヒスタミン剤やアレルギー反応をおさえる抗アレルギー剤を服用します。何

度も繰り返してじんましんが出る場合(慢性じんましん)は、内服薬を何週間か続ける必要が

あります。

生活上の注意点は、香辛料などの入った刺激の強い食べ物はかゆみを悪化させますの

で控えます。じんましんが出ている時は、熱い風呂は余計にかゆみが増してじんましんを悪化

させますので禁物です。かゆいところを冷やすのは効果があります。休息や睡眠を十分とり、

規則正しい生活を送ることも大切です。原因をはっきりさせたい場合は、血液検査でアレルギー

反応を調べるとわかることもありますので、かかりつけ医に相談してみましょう。

最後に、じんましんが出たときに気をつけなければならないのは、急性喉頭浮腫といって

のどの空気の通り道が腫れて呼吸困難になる場合です。呼吸の状態がいつもと違うと思ったら

早めに病院を受診しましょう。

 

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員    

原口 務(あいら小児科)

平成20年5月12日 南日本新聞掲載