成長痛
こども救急箱(48)
原因がまったく分からず、特に夜間に足の痛みを訴えるとき成長痛と診断されます。日中は機嫌よく遊んでいるのに、
夜になると足の痛みを訴え、目を覚まして泣く場合もあります。痛みは長くは続かず、さすっているといつの間にかなくなり、
次の日は何事もなかったように飛び跳ねているというのが大きな特徴です。
以前は急激な成長に伴う痛みと説明されていましたが、原因はまだはっきりしていません。一日中遊んだ後の足の疲れ
やだるさを表現しているのではないかとも考えられています。訴えが多いのは、ひざ、ふくらはぎ、太ももなどですが、これら
の場所を痛がる理由も明確ではありません。関節を動かせなくなったり、腫れや熱が出たりすることはありません。
活動性が非常に高い幼児期に子どもたちの単なる疲労が、特に神経質な子どもで精神的に増幅され、激しい痛みとなる
ようです。また、夜に多いのは、昼間と違って子どもの心の緊張が取れているので痛みを訴えやすいと考えられます。
治療法は特別なものはなく、自然治癒するものと考えてください。日中の活発な活動による疲労現象であることと、精神的
な要素もかかわっていることを保護者がよく理解することも大切で、痛がっている部位をさすってあげながら、子どもに大丈夫
だと話しかけることも重要でしょう。
もし、痛みが長期間続いたり、腫れや熱を持ったりすれば、いろいろな病気と区別する必要があります。かかりつけの小児科
や整形外科を受診しましょう。
NPO法人こども医療ネットワーク会員
山ア孝壽(こどもクリニック山ア)
平成20年6月16日南日本新聞掲載