たばこの害

 

こども救急箱(52)

日本人は口から入るものに関して、世界でも類を見ないほど安全なものを求めます。中国製ギョーザ中毒事件

をきっかけに、中国産食料品の輸入が激減したのは、記憶に新しいことです。

 しかし、たばこに関しては例外です。喫煙者は、肺がん、咽頭(いんとう)がん、喉頭(こうとう)がんをはじめ、胃

がんや子宮頸(けい)がんなどにもなりやすいことが報告されています。

喫煙者の周囲の人が自分の意志とは関係なく吸ってしまう受動喫煙の害も明らかになってきています。食の安

全を求めるように、喫煙と受動喫煙の害を少なくしていくことが必要です。

依存は、ニコチンが入ってくることで脳内の受容体が変質するせいだといわれています。最初は咳(せ)き込ん

だり、むせたりします。こんなまずいものならいつでもやめられるという気になりますが、いったん依存が完成する

とニコチンなしではいられなくなります。

悪いことに、この依存は若いときほど短期間で成立します。極端な例では、たった二口か三口吸っただけで依存

が成立し、小学校の授業中にトイレにいって喫煙するという例も報告されています。

将来の禁煙社会を生きる子どもたちを依存のわなにかけないためには、子どもの周りからたばこをなくすことが

重要です。

禁煙外来も増えました。禁煙の手段もパッチやガムのほか、内服薬もできました。子どもたちのために禁煙を始

めましょう。

 

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員

野田 隆(のだ小児科医院)

平成20年8月22日 南日本新聞掲載