「続・たばこの害」  

 

こども救急箱(53)

親が喫煙すると吸わない場合に比べて、自然流産は1.1〜2.2倍、乳児突然死症候群が4.7倍、低出生体重

が1.2〜1.6倍、虫歯は2倍、気管支喘息が1.5倍増えると言われています。子どもの初回喫煙年齢が低くなった

のは、大人がたばこの影響を与えているからです。

 家庭内に喫煙者がいると、外でだけたばこを吸っていても非喫煙者の家庭で育った赤ちゃんの2倍たばこを吸わされ

ているというデータがあります。つまり、家庭内に喫煙者がいる限り、たばこの害から逃げられません。

 子どものころの受動喫煙が将来の能動喫煙者を生み出すことはあまり知られていません。脳は9歳までに急激に発達

し、約9割が完成するとされています。それまでに両親がともに喫煙者か非喫煙者かによって、18歳時点での喫煙率

は、約3倍違います。

 子どもが小さいうちに親が禁煙すれば、子どもたちをたばこから守ることができます。しかし、若い親は喫煙率が高く、

いわゆる『健康喫煙者』であるため、たばこの害を実感できません。自分が病気になり医療機関を受診することもほと

んどないので、子どもが受診する医療機関(小児科、耳鼻科、皮膚科、歯科、薬局など)しか、子どもたちがたばこの

害を知る場はありません。

 たばこは、自分の人生の残り時間を奪うことにつながります。自分や自分の健康を大切にし、家族の幸せを願う姿は、

子どもに対する最高の教育になるのではないでしょうか。禁煙社会はきっと来るでしょう。禁煙社会を生きる子どもたち

にとって、親の禁煙は素晴らしいプレゼントになるはずです。

 

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員

野田 隆(のだ小児科医院)

平成20年9月1日 南日本新聞掲載