「子どもの誤飲・誤嚥」

−危険のない環境整えて−

 

こども救急箱(57)

お子さんが身の回りの物(異物)を口に入れて、ヒヤッとされた方も多いかと思います。「誤飲」とは食べ物以外の物を

誤って飲み込んでしまい胃の中に入れてしまうこと、「誤嚥」とは食べ物や異物など飲み込んだ物が気管に入ってしまう

ことです。乳児は、生後三―四カ月ごろには物をつかめるようになり、生後五―六カ月を過ぎるとつかんだ物を口に持って

いくようになります。

 異物の誤飲は四歳未満に多く、特に生後六カ月から一歳ころに集中して起こります。原因の多くを占めるのがタバコであり、

次に医薬品、洗剤・化粧品などです。ジュースなどの空き缶を灰皿代わりに使い、吸い殻のタバコが溶け出している液体を

飲み込んだ場合は、緊急を要します。タバコに含まれるニコチンが吸収される前に胃の中を洗浄しなければなりません。

 お子さんがタバコや医薬品などを手にとり、口の中でモゴモゴさせているときは、まず吐かせましょう。もうろうとしている場合、

意識がない場合、また石油製品やトイレ用洗剤・漂白剤、針状の物や硬貨などを飲み込んだ場合には、無理に吐かせようと

せず急いで医療機関を受診してください。

 誤嚥の原因で多いのはピーナツなどの豆類です。空気の出入り口である気管が詰まってしまうので、激しい咳や呼吸困難

を訴えたりすることもあります。すみやかに全身麻酔下で異物を取り除かなければなりません。

 口に入りそうなもの(おおよそ四a以下のもの)は床から一b以上離れた手の届かない所に片付けましょう。また、あおむけ

や歩きながらの飲食も絶対にしないように注意しましょう。

 子どもの異物誤飲・誤嚥は、まわりの大人の責任です。お子さんに危険のない環境を整えてあげることが大切です。もう一

度、ご家庭の環境を見直してみましょう。

 

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員 

上野健太郎(鹿児島大学病院小児科)

200810月27日南日本新聞掲載