「赤ちゃんのあざ」
−気になるあざは診断を−
こども救急箱(58)
あざにはいろいろな種類があります。今回は、@自然に消えていくもの A将来、悪性化する
可能性があるので切除した方がよいもの B美容的な問題で治療を考えてもよいもの に分けて
みましょう。
自然に消えるものとして多いのは、生後すぐに額や唇など顔の正中部(中心線)やまぶたにある
皮膚から盛り上がらない赤いあざです。ほとんどは1年以内に目立たなくなります。生後すぐから
2〜3週に出現して皮膚から盛り上がり、3〜6カ月で急に大きくなるあざの多くも5〜6歳までに
自然消失します。いちごに似た外観の赤いあざです。日本人によくある蒙古斑(もうこはん)と呼
ばれる臀部(でんぶ)の青いあざが小学校に上がるころまでに自然に消えるのはよく知られていま
す。
二つ目の悪性化が心配なあざは、出生時からある大型の黒いあざです。悪性黒色腫を発生する
ことがあるため、早期の外科的切除が必要な場合があります。
また、赤ちゃんの頭部の脱毛として気づく黄色っぽいあざの脂腺母斑も、大人になってから腫瘍
(しゅよう)化することがあるため、思春期以前の切除が望ましいとされます。
最後に、美容的にレーザー治療を考慮するあざには、片方の目から鼻の部分に出現する太田母
斑と呼ばれる青っぽいあざや、正中部以外にできる顔の赤いあざなどがあります。前述のいちごに
似た外観のあざも、大きいものはレーザー治療をすることもあります。あざの種類によって効果に差
がありますので、正確なあざの診断が必要です。気になるあざは、早めに専門の医療機関での相
談をおすすめします。
NPO法人こども医療ネットワーク会員
金蔵章子(医療法人童仁会池田病院)
2008年11月17日南日本新聞掲載