予防接種

 

こども救急箱(74)

鹿児島県などは、今年から8月1〜8日を「県子ども予防接種週間」と制定しました。小児に推奨される予防接種には無料で受けられる定期接種

のBCG、ポリオ、DPT/PT、麻しん風しん混合(MRワクチン)日本脳炎と、任意接種である水痘、ムンプス、インフルエンザ菌b型(ヒブ)、インフル

エンザがあります。

よくある質問の1つに「なぜ、副作用の怖い予防接種を受けなければいけないの」があります。予防接種を受ける病気は、実際にかかってしまうと

年齢によっては後遺症を残したり、命にかかわる可能性がある病気ばかりです。また、いったんかかってしまうと治療薬がない病気も多く入っていま

す。予防接種は、わたしたちの大事な子どもたちを守るためにあるのです。

 予防接種を受けていないのにこれらの病気にかかっていないことがありますが、それはまわりの人々が予防接種を受けていることで病気がまん延

しないからです。予防接種率の低かった麻しんの流行は、記憶に新しいところです。一般的に流行を防ぐには95%以上の接種率が必要と言われます。

 「副作用は大丈夫ですか」。これもよく聞かれる質問です。予防接種の副作用はそれぞれのワクチンによって違いますが、重篤なものはまれで、何

百万人に1人という頻度です。実際にかかってしまった時におこる合併症の頻度と比較すれば、非常に安全といえます。

 予防接種法には重篤な健康被害の救済についてもうたってあります。自分の子どもの命を守るだけでなく、流行を防ぐためにも予防接種は積極的に

受けましょう。

 

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員

森田康子(鹿児島市立病院小児科) 

平成21年8月3日南日本新聞掲載