乳幼児期のあざ
こども救急箱(80)
あざはお母さんにとって、気になるものです。今回は色調別に、あざについて説明したいと思います。【青い
あざ】 青いあざの代表は赤ちゃんのお尻から背中に見られる「蒙古斑(もうこはん)」です。6〜7歳頃までには
消えますが、普通と違う場所にある蒙古斑は消えるのが遅い傾向にあります。青色がさらに濃く、まるで青いほ
くろのようなあざは「青色母斑」といい、自然には消えません。【赤いあざ】 うなじ、まぶた、おでこ等に見られる
赤ぶどう色のあざは「正中母斑(せいちゅうぼはん)」と呼ばれ、よく見られるありふれた血管腫です。欧米では
「天使のキス」や「コウノトリの嘴の跡」と呼ばれ、自然に消える場合が多いです。「単純性血管腫」は、正中から
外れ、正中母斑より濃い赤で、自然には消えません。「いちご状血管腫」は、表面が盛り上がって、ぶつぶつした
感じが苺に似ています。生後すぐから見られ、2〜3か月で大きくなる場合もあります。多くは6〜7歳ころまでに
消えます。【黒いあざ】 黒いあざは「色素性母斑」です。小さいものは「ほくろ」と呼ばれ、自然には消えませんが、
悪性化などの問題はありません。【白斑】 赤ちゃんで色の抜けたような白いところがあるのは比較的めづらしい
です。範囲が小さく、うすく色の抜けたところが一つある位でしたら、「白色母斑」かもしれません。成長にしたがっ
て大きくなりますが、問題はありません。皮膚炎や湿疹、やけどの跡は、時間の経過とともに消えていきます。し
かし、数が増えたり、広がってくるような場合は専門医に診てもらうようにしましょう。どのあざも気になる場合は
早めに皮膚科や小児科を受診しましょう。
NPO法人こども医療ネットワーク会員
池田さやか
平成21年11月16日南日本新聞掲載