チャイルドシート

 

こども救急箱(88)

 現在の道路交通法では、6歳未満の子どもを自動車に乗せる場合にチャイルドシートの着用が義務付けられています。

だからといって、6歳以上になれば大人用のシートベルトだけで安全を確保できるわけではありません。

 自動車のシートベルトは身長140a以上の大人だけを想定して設計されています。子どもがそのまま着用すると、肩ベ

ルトが首にかかったり腰ベルトが腹部を圧迫して大変危険です。日本小児科学会は体重36`までの子ども、すなわち小

学5〜6年生までは適切なチャイルドシートを使用することを推奨しています。

 チャイルドシートには大きく分けて2種類あります。一つは乳幼児期から体重18`・4歳ぐらいまでが使うシートにベルト

の付いたハーネス式です。もう一つは、より大きな子どもが使用するジュニアシートで、自動車のシートベルトをそのまま

使用するタイプです。子どもの座面をあげて、ベルトを正しい位置に付けられるようにします。背もたれなしのタイプもあり

ますが、背もたれ付きのものが一般的であり、体重15`以上のより小さな子どもにも使用できます。

 体が大きくなって肩ベルトが正しく胸にかかり、腰ベルトが腰の低い位置の骨盤部にしっかりとかかるようになるまでは、

ジュニアシートを使用して乗車中の子どもの安全を守る必要があります。専門店などで相談し、子どもの年齢や体重、体格

から適切なチャイルドシートを選択しましょう。

 一般的なチャイルドシートの寿命は5〜6年とされています。シートベルトを使える体格になるまでに1〜2回、買い替える

必要があることを認識しておくことも大切です。

 

 

NPO法人こども医療ネットワーク会員 

櫨木大祐(鹿児島大学病院小児科)

平成22年4月19日南日本新聞掲載