毎年梅雨から夏にかけて水に関わる事故の報道が多く、胸が痛みます。
水の事故で最も多いのは海(49%)、次いで河川(34%)と続きますが、中学生以下の子どもは河川(58%)、湖沼地(19%)、海(16%)です (政府広報オンライン2021年統計)。海と違って河川は比較的住宅地に近いため子どもだけで遊びに行ける場所が多く、大人の目が届かない場所で事故に遭遇してしまいます。
悲しい事故を防ぐポイントについて述べたいと思います。
一つ目は、子どもだけで川や湖などに行かせないことです。中高校生が一緒なら大丈夫でしょうか。親は自分の子どもを最優先で見ますが、中高校生では小さい子に付きっきりで面倒を見ることは難しいでしょう。
二つ目は、大人が責任を持って子どもを見守ることです。残念ながら大人であれば誰でも大丈夫とは言い切れません。飲酒したりスマホをいじったりして、子どもから目を離してばかりの大人は適任ではありません。
また、子どもにもライフジャケットを着用させるなど万が一に備えた安全対策を講じておくことも有効です。よく言われている「浮いて待て」は大変有効な手段ですが、不意に深みにはまったり、不安を感じたりしている子ども(大人も含めて)はパニックになったりしてしまうので、とても難しいことだと思います。
三つ目は、危険を予測して、近づかない、無理しないです。
大人も含めて水の事故は起きます。事故を未然に防ぐには事前学習や知識が必要です。遊泳禁止場所、地元の人が避ける場所には必ず理由があります。離岸流や急に深くなっている地形は危険な場所です。安全に留意して楽しい夏を過ごしましょう。
こども医療ネットワーク会員
久保田 知洋(鹿児島県立薩南病院)