こども救急箱

vol.341 臍ヘルニア

―気になる時は相談を―

南日本新聞掲載日付 2025/09/23

赤ちゃんの健診をしていると、「子どもが出べそなんです」とよく相談されます。赤ちゃんが泣いた時に、おへそがぷっくり飛び出し、保護者の方を心配させるものですが、正式な病名は「臍(さい)ヘルニア」といいます。

赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいる時、栄養や酸素をもらうためにつながっているへその緒(臍帯)は、生まれた後2週間ほどで自然に脱落します。その後、へその緒の通り道の穴(臍輪)が収縮して閉じますが、閉じる前に赤ちゃんが泣いたりいきんだりしておなかに力が入り、おへそが膨らんでしまうことがあります。

これが臍ヘルニア、いわゆる出べその成り立ちで、生後1〜2ヶ月頃に最も大きくなります。

出べそは赤ちゃんの10人に1人くらいに見られ、決して珍しいものではありません。飛び出した腸がヘルニアの出口で強く締めつけられ血流障害を起こすことを嵌頓(かんとん)と言いますが、臍ヘルニアの場合は極めて稀です。

1年で80%、2年で90%が自然に治るため、以前は様子を見ることが多く、治らないときは手術をしていました。

最近ではただ待つのではなく、より早く、よりきれいに治すため、圧迫療法が多くの病院で積極的に行われるようになりました。飛び出したおへそを綿球や専用の固定具で優しく押さえ、テープで固定する方法です。病院や先生によってやり方が少し違いますが、自宅や病院で皮膚炎に気をつけながら行います。

治療期間は小さいもので1~2ヶ月、大きいものだと2~3ヶ月程度が目安となります。圧迫療法だけで治らなくても、臍の皮膚の弛みを防ぐことで、手術が必要になった場合にやりやすくなるというメリットもあります。

圧迫療法は出べそが小さいほど早く治る傾向があるので、治療開始が早いほど効果が高く、生後6ヶ月以降では治りにくくなります。赤ちゃんのおへその形が気になる時は、お早めにかかりつけの小児科医にご相談ください。

 

こども医療ネットワーク会員

鈴東昌也(すず小児科)