こども救急箱

vol.342 O脚

―成長とともにまっすぐに―

南日本新聞掲載日付 2025/10/28

O脚(おーきゃく)とは、両足をそろえて立ったときに膝と膝の間にすき間ができ、足全体がアルファベットの「O」の形のように外向きに曲がって見える状態のことです。医学的には「内反膝(ないはんしつ)」と呼ばれます。

日本人の赤ちゃんの多くは生まれつきO脚です。1、2歳ごろの歩き始めの時期にいちばんO脚が強くなりますが、成長とともに自然にまっすぐな足へと変わっていきます。これを「生理的O脚」といい、ほとんど心配はいりません。

3〜5歳ごろには、膝が内側に寄るX脚になる子も多いですが、小学校入学前後には自然にまっすぐな足になります。つまり、子どものO脚やX脚の多くは成長の途中に見られる一時的な変化です。

ただし、次のような場合は注意が必要です。①2歳を過ぎてもO脚が強い、または悪化している②左右の足の曲がり方が違う③膝の痛みや歩き方の異常がある④身長の伸びが悪い。このようなときは、整形外科や小児科を受診するとよいでしょう。

ビタミンDが不足して骨の形成が弱くなる「くる病」でもO脚が起こります。最近は少ないものの、食物アレルギーなどで食事制限が多い子や、日光に当たる時間が少ない子では注意が必要です。

ある研究では、O脚の赤ちゃんはO脚でない子に比べてビタミンDやカルシウムが不足しがちであることが分かっています。サケ、イワシ、シラスなどの魚を食べたり、日光浴をしたりすることで、骨を丈夫に保つことができます。

ほとんどの子どものO脚は成長とともに自然に治ります。大切なのは、外遊びなどでしっかり歩き、太陽の光を浴びながら健やかに育つこと。親としては「治そう」と焦らず、おおらかに成長を見守ることが何よりの支えになります。

ビタミンDを体がつくるためには、日光(紫外線)が必要です。春と夏は、顔と手足に1日5〜15分ほど、秋・冬は20〜30分程度、外で遊ぶなどして日光を浴びるのが目安です。1歳半健診、3歳児健診ではO脚をチェックするので受けるようにしましょう。

 

こども医療ネットワーク会員

岡本康裕(鹿児島大学病院小児科)