マイコプラズマ感染症は「肺炎マイコプラズマ」という細菌が原因となる感染症です。名前の通り、肺炎や気管支炎などの呼吸器の病気を起こします。小児や若年成人で多く、特に学童期の肺炎では最も頻度が高い原因となります。
鹿児島県では2022年と23年には報告がなかったですが、24年に流行し457件の報告がありました。25年も多くの患者さんがいます。
主な症状は発熱やせき、だるさなどです。熱が下がったあとも、せきだけが3~4週間続くことも珍しくありません。呼吸器以外の症状が目立つ人もいます。頭痛や吐き気が中心の髄膜炎、耳の痛みが強い中耳炎、おなかの痛みを伴う腹部のリンパ節炎がみられることもあります。そのほか、じんましんや紅斑などの皮膚症状、心臓の動きが悪くなる心筋炎、貧血などを合併するケースもあります。
原因となる肺炎マイコプラズマは細菌なので、治療には抗菌薬(抗生物質)が使われます。マクロライド系抗菌薬がよく使用されますが、効きにくい「マクロライド耐性菌」の場合には、別の種類の抗菌薬を使うこともあります。重い肺炎では、炎症を抑える目的でステロイドを併用することもあります。
マイコプラズマ感染症には、インフルエンザのような予防接種はありません。患者さんのせきのしぶきを吸い込んだり、手を介して顔や口に触れたりすることで感染するため、せきが出るときはマスクを着用し、日頃から流水と石けんによる手洗いを心がけてください。家族内で感染者がいる場合には、感染が広がらないよう、タオルの共用は避けることも大切です。
マイコプラズマ感染症は、発熱やせきだけでなく、さまざまな症状が出現することがあります。お子さんの様子に「いつもと違う」と感じることがあれば、かかりつけの小児科を受診いただくことが重要です。
こども医療ネットワーク会員
児玉祐一(鹿児島市立病院小児科)
