「てんかん」にどんなイメージがありますか。
てんかんは、決して珍しい病気ではなく、適切な治療を受けながら社会生活を送っている方がたくさんいます。てんかんを正しく理解し、偏見をなくしていくことが大切です。
てんかんは、脳の神経の働きが一時的に乱れることで、体のけいれんや意識の変化などの「発作」が繰り返し起こる脳の慢性的な病気です。誰でも発症する可能性があり、精神的な問題や性格とは関係ありません。日本では、およそ100人に1人がてんかんを持っているといわれています。
発作は数秒から1~2分で自然に治まることが多いものの、長く続いたり、繰り返したりする場合は、速やかな医療対応が必要です。
発作の症状は、全身がけいれんするだけでなく、手足が一瞬ピクッと動く、短い間だけぼんやりするなどもあります。原因は、脳卒中、脳炎、遺伝などさまざまですが、特定できない場合もあります。子どものてんかんでは、成長とともに発作がなくなるケースもあります。
治療の中心は抗てんかん薬の服用です。薬を正しく飲み続けることで、発作をコントロールでき、普通の生活が可能です。一定の条件下で車の運転を続けることができる人もいます。
もし周囲の人が発作を起こした場合は、安全の確保が第一です。けいれんしている人を押さえたり、口の中に物を入れたりすると、けがや窒息の危険があります。
周囲の危ない物をどけ、横向きに寝かせて、発作が終わるまで見守りましょう。発作が5分以上続いたり、何度も繰り返したりする場合は、救急車を呼んでください。
毎年3月26日は「パープルデー」と呼ばれ、世界中でてんかんの理解を深める活動が行われています。紫色は、てんかんとともに生きる人々を応援する色です。この日をきっかけに、てんかんについて知り、支え合う社会を考えてみませんか。
こども医療ネットワーク会員
松永愛香(鹿児島県立薩南病院小児科)
