「とびひ」(伝染性膿痂疹)は、乳幼児に多い皮膚の感染症です。
原因は、黄色ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌といった皮膚や鼻の常在菌です。
汗をかく夏に多いですが、虫刺されや湿疹、アトピー性皮膚炎などで皮膚に小さな傷ができるとそこから感染し、季節を問わず発症します。手やタオルを介して、兄弟や別の部位に「飛び火」するようにうつることから、この名前がつきました。
はじめは小さな水ぶくれや赤みとして現れ、次第に破れて皮がむけ、ただれたようになります。
顔や腕、足など露出したかきやすい部位に多いですが、乳児では首やわき、おむつの中など、蒸れやすい場所にも見られます。まれに発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みを伴うこともあります。
症状が軽い場合は、抗菌薬入りの軟こうを塗ることで4~5日で良くなります。
最近は薬が効きにくい菌(耐性菌)も増えており、治りが悪い場合は軟こうを変更したり、全身に広がる場合は内服抗菌薬を使ったりします。かゆみが強い場合は、ステロイド軟こうや抗アレルギー薬を併用することもあります。
家庭では、石けんをよく泡立ててやさしく洗い、清潔なタオルで拭きましょう。兄弟間の感染を防ぐため、タオルや衣類の共用は避け、薬を塗ったあとはガーゼなどで覆うと安心です
予防には、手洗いと皮膚の清潔、爪を短くして皮膚を傷つけないことが大切です。アトピー性皮膚炎や乾燥肌のお子さんは、日々の保湿ケアで肌の状態を整えておきましょう。
登園・登校の制限はありませんが、感染を防ぐため患部は覆って露出しないようにします。水を介してうつることはないのですが、肌の接触で感染するため、治るまではプールに入るのを控えるのが望ましいです。
早めの受診と毎日の清潔習慣が、子どもの肌を健やかに保つ秘けつです。
こども医療ネットワーク会員
坂元沙樹(北薩病院小児科)
